実習実施者/監理団体の役割 目次 Toggle 1. 実習実施者の役割 1-1 技能実習計画の認定申請 1-2 実習実施者の届出 1-3 実施状況報告 1-4 書類の作成と保管 2. 技能実習体制の整備 2-1 技能実習責任者 2-2 技能実習指導員 2-3 生活指導員3. 技能実習生の待遇の確保 3-1 報酬 3-2 宿泊施設4. 監理団体の役割 4-1 技能実習計画の作成の指導 4-2 入国後講習の実施 4-3 監査と訪問指導 4-4 技能実習生のための母国語相談窓口 1. 実習実施者の役割 1-1 技能実習計画の認定申請 実習実施者は、受け入れようとする技能実習生ごとに、監理団体の指導に基づいて技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構から認定を受ける必要があり、技能実習計画に記載しなければならない事項や申請の際の添付書類が、技能実習法及びその関連法令に定められています。技能実習計画は、技能実習生ごとに、「第1号」「第2号」「第3号」の区分を設けて認定を受けなければならず、特に「第3号」の技能実習計画に関しては、実習実施者の優良性が認定の基準となります。当組合では、技能実習開始予定日の4ヶ月前までに外国人技能実習機構に対して申請を行います。 1-2 実習実施者の届出 実習実施者は、初めて技能実習生を受入れて実際に技能実習を行わせた際には、遅滞なく外国人技能実習機構の地方事務所・支所の認定課に対し実習実施者の届出をしなければなりません。当組合では、技能実習開始予定日の約2週間前にご案内いたします。 1-3 実施状況報告 実習実施者は、毎年1回、5月31日までに直近の技能実習事業年度(4月1日に始まり翌年3月31日に終わる技能実習に関する事業年度)に実施状況報告書を作成の上、管轄する外国人技能実習機構の地方事務所・支所の認定課に提出しなければなりません。 当組合では、技能実習開始予定日の約2週間前にご案内いたします。 1-4 書類の作成と保管 実習実施者は、以下の帳簿書類を作成し、技能実習を行わせた事業所に備え付けておかなければなりません。保管期間は、帳簿書類のもととなる技能実習の終了日から1年間(1号・2号分を帰国後1年間)となっております。・技能実習生の管理簿(技能実習生の名簿、履歴書、雇用契約書・条件書、賃金台帳・出勤簿等の待遇に係る記載がされた書類)・計画認定の履行状況に係る管理簿・技能実習生に従業させた業務及び技能実習生に対する指導の内容を記録した日誌(技能実習日誌)・その他特定の職種の場合、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める書類 必要書類 技能実習生の管理簿(技能実習生の名簿、履歴書、雇用契約書・条件書、賃金台帳・出勤簿等の待遇に係る記載がされた書類) 計画認定の履行状況に係る管理簿 技能実習生に従業させた業務及び技能実習生に対する指導の内容を記録した日誌(技能実習日誌) その他特定の職種の場合、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める書類 2. 技能実習体制の整備 2-1 技能実習責任者 「技能実習責任者」とは、事業所ごとに選任する技能実習を管理・運営する責任者のことを指します。また、技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員の監督を担います。技能実習の進捗状況の管理はもとより、以下の事項に関する統括管理を求められます。 条件 過去3年以内に技能実習責任者養成講習を修了 常勤の役職員 技能実習指導員、生活指導員を監督できる立場 役割 ① 技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督すること。 ② 技能実習の進捗状況を管理すること ③ 以下に関する事項を統括管理すること (1)技能実習計画の作成 (2)技能実習生が修得等をした技能等の評価 (3)法務大臣、出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣若しくは機構又は監理団体(団体監 理型の場合)に対する届出、報告、通知その他の手続 (4)帳簿書類の作成・保管、実施状況報告書の作成 (5)技能実習生の受入れの準備 (6)監理団体との連絡調整(団体監理型の場合) (7)技能実習生の保護 (8)技能実習生の労働条件、産業安全及び労働衛生 (9)国及び地方公共団体の関係機関、機構その他関係機関との連絡調整 2-2 技能実習指導員 技能実習計画に沿った技能実習の指導を担います。毎日の技能実習日誌の記入をし、技能実習の目標の達成状況を公正に確認することが求められます。実習職種や環境ごとに1名以上必要です。 条件 受入れ事業所の常勤役職員 技能実習生が修得する技能について、通算5年以上の経験 実習職種や環境ごとに1名以上 役割 認定計画に従って技能実習の指導をすること。 毎日、「技能実習日誌」の記入・保管。 技能実習の目標の達成状況を公正に確認すること。(技能検定又はこれに相当する技能実習 評価試験の合格に係る目標の場合を除く。) 2-3 生活指導員 生活指導員は、技能実習生の日本での生活上の留意点について指導するだけでなく、生活状況を把握するほか、実習生の相談に乗るなどして、問題の発生を未然に防止する方を指します。 条件 受入れ事業所の常勤役職員 役割 技能実習生の生活の指導を行うこと。 技能実習生の生活状況を把握し、技能実習生からの相談に乗るなど技能実習生が技能実習に専念できる環境づくりを行うこと。 3. 技能実習生の待遇の確保 3-1 報酬 技能実習生と同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合は、技能実習生の任される職務内容や責任の程度がその日本人労働者と同等であることを説明した上で報酬額を決定します。同程度の技能等を有する日本人労働者がいない場合は、賃金規程に照らした個々の企業の報酬体系の観点から説明するほか、技能実習生の職務内容や責任の程度が最も近い日本人労働者と比べてどのように異なるかという観点から、説明を行うこととなります。 3-2 宿泊施設 実習実施者は、技能実習生のための適切な宿泊施設を確保しなければなりません。また、適切な宿泊施設として、下記の事項が確認できることが必要です。 適切な宿泊施設の確保 安全面及び衛生面に関する措置を講じていること。 2階以上の寝室に寄宿する建物には、2箇所以上(収容人数15人未満は1箇所)の階段を設ける措置を講じていること。 消火設備を設置する措置を講じていること。 寝室については、床の間・押入れを除き、1人当たり4.5㎡を確保することとし、個人別の私有物収納設備、室面積の7分の1以上の有効採光面積を有する窓及び採暖の設備を設ける措置を講じていること。 就眠時間を異にする2組以上の技能実習生がいる場合は、寝室を別にする措置を講じていること。 他に利用し得るトイレ、洗面所、洗濯場、浴場のない場合には、当該施設を設けることとし、施設内を清潔にする措置を講じていること。 (宿泊施設が労働基準法第10章に規定する「事業の付属寄宿舎」に該当する場合)同章で定められた寄宿舎規則の届出等を行っており、又は速やかに行うこととしていること。 4. 監理団体の役割 団体監理型技能実習生の受け入れにおいて、監理団体は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護について重要な役割を果たすものであることを自覚し、実習監理の責任を適切に果たすことが必要となります。監理団体が監理事業を行う場合は、主務大臣の許可を受けなければならないこととされ、監理団体として満たさなければならない要件が、技能実習法及びその関連法令に定められています。 4-1 技能実習計画の作成の指導 監理団体は、実習実施者に対して、技能実習計画の作成についての監理団体の意見を提示、説明して指導することが求められています。 4-2 入国後講習の実施 第一号団体管理型技能実習においては監理団体が、自ら又は他の適切なものに依託して、座学(見学を含む)により技能実習生に対して講習を実施する必要があります。第1号の技能実習生については、入国後一定の期間、「①日本語」、「②本邦での生活一般に関する知識」、「③出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他技能実習生の法的保護に必要な情報」及び「④ ①から③までのほか、本邦での円滑な技能等の修得等に資する知識」に掲げる科目について、講習を受講することが必要となります。 4-3 監査と訪問指導 監理団体は、機構により認定された技能実習計画に従って実習生に必要な知識の習得をさせるとともに、実習監理を行わなければいけません。具体的には、三月に1回以上の定期監査、実習認定の取消し事由に該当する疑いがあると監理団体が認めた場合又は労働災害を発生させたなど労働関係法令に違反している疑いがあるとの情報を得たときに行う臨時監査、第一号技能実習期間における一月に1回以上の訪問指導、を行います。定期監査は、認定された技能実習計画に従って適切に技能実習が実施されているかの状況を確認し、技能実習法及び労働関係法令等の違反の有無について監査を行います。監理団体は、監査結果について監査報告書を作成し、外国人技能実習機構に提出し、違反等があった際、場合によっては、外国人技能実習機構又は労働基準監督署に通報するという義務があります。 4-4 技能実習生のための母国語相談窓口 実習実施者において技能実習生が人権侵害行為を受けている事案など実習実施者の技能実習指導員や生活指導員などの役職員に相談できない場合において、弊社が技能実習生を保護・支援できるようにするために、監理団体は技能実習生から直接母国語による相談応需体制を整備する必要があります。当組合では、英語、ベトナム語、インドネシア語の相談体制を整備しています。